日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
難治性腹水,食道胃静脈瘤のある高齢者に対して部分的脾動脈塞栓術が著効した1例
長谷 聡一郎平松 靖史
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2013 年 19 巻 4 号 p. 196-199

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抄録
84歳女性.主訴は腹部膨満感.骨髄異形成症候群で当院経過観察中.2か月前より腹部膨満感が急速に増悪して近医受診.USで高度脾腫と大量腹水貯留がみられ,利尿薬で制御不良のため当院受診.身長140cm,体重38.5kg.肝炎ウイルス陰性,アルコール摂取歴なし.肝機能はChild-Pugh gradeB(score 9点).腹部CT大量の腹水貯留と18×10cm大の高度脾腫および脾静脈,門脈の拡張,傍臍静脈の発達を認めた.内視鏡検査で食道胃静脈瘤(Lm, F2, Cb, RC0, Lg-f, F1, Cw, RC0)を認めた.当院で腹水穿刺を4回試みたがすぐに再貯留するため,部分的脾動脈塞栓術(PSE:partial splenic embolization)を施行した.PSE後,腹部膨満感や腹囲は経時的改善傾向を示し,画像上も腹水消失を認めた.肝機能はChild-Pugh grade A(score 5点)に改善.内視鏡検査で食道胃静脈瘤ともに消失した.CTで脾静脈,門脈本幹に部分的に血栓形成を認めたが,抗血小板療法施行にて経時的改善した.術後18か月後現在,腹水貯留や腹部膨満感の再燃なく経過観察中である.
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© 2013 日本門脈圧亢進症学会
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