抄録
84歳女性.主訴は腹部膨満感.骨髄異形成症候群で当院経過観察中.2か月前より腹部膨満感が急速に増悪して近医受診.USで高度脾腫と大量腹水貯留がみられ,利尿薬で制御不良のため当院受診.身長140cm,体重38.5kg.肝炎ウイルス陰性,アルコール摂取歴なし.肝機能はChild-Pugh gradeB(score 9点).腹部CT大量の腹水貯留と18×10cm大の高度脾腫および脾静脈,門脈の拡張,傍臍静脈の発達を認めた.内視鏡検査で食道胃静脈瘤(Lm, F2, Cb, RC0, Lg-f, F1, Cw, RC0)を認めた.当院で腹水穿刺を4回試みたがすぐに再貯留するため,部分的脾動脈塞栓術(PSE:partial splenic embolization)を施行した.PSE後,腹部膨満感や腹囲は経時的改善傾向を示し,画像上も腹水消失を認めた.肝機能はChild-Pugh grade A(score 5点)に改善.内視鏡検査で食道胃静脈瘤ともに消失した.CTで脾静脈,門脈本幹に部分的に血栓形成を認めたが,抗血小板療法施行にて経時的改善した.術後18か月後現在,腹水貯留や腹部膨満感の再燃なく経過観察中である.