抄録
門脈圧亢進症におけるRCTの進め方について概説した.まず,詳細な計画書を書く必要があり,この計画書に研究デザイン全てを記載する.その内容は,題名に続いて研究の要旨,研究の経緯・背景,研究の意義,研究の目的(Primary,Secondary endpoint),研究デザイン(デザイン,症例数計算,患者選択,Inclusion,Exclusion Criteria,症例のリクルート,治療手技の手順,症例の逸脱,研究参加の撤回に関する指針),合併症の管理(合併症の回避,合併症報告,研究中止指針),データモニタリング(データモニタリングの計画,早期終了の基準,研究延長の基準),データ解析(プロトコール非遵守例の取り扱い,統計解析),目標症例数および予定期間,実施場所,利益相反,プライバシー保護に関する配慮,参考文献,など.また,別に患者への説明用紙には参加の自由,利益・不利益,他の治療法,費用,補償,研究結果の扱い,などを書く必要がある.多施設で行う場合にどのような点に注意が必要なのか,なぜ失敗するのか,RCTの肝などについて記述した.