日本門脈圧亢進症学会雑誌
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総説
十二指腸静脈瘤の病態と治療方針
松井 繁長樫田 博史工藤 正俊
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2015 年 21 巻 1 号 p. 19-25

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抄録
当院で診断した十二指腸静脈瘤17例の病態と治療方針を検討した.出血群においてびらん,食道静脈瘤治療歴が有意に多く認められ,RC signは陰性のことが多かった.出血例に対する緊急止血法は,α-cyanoacrylate monomerを使用した内視鏡的硬化療法(EIS)などの内視鏡治療を第一選択とすべきである.血行動態の把握は,Multi detector CT(MDCT)やMagnetic Resonance Angiography(MRA)などによる画像診断が有用である.出血危険因子は,胃静脈瘤と同様で,急速増大例,びらんやRC signを有する症例,F2以上の緊満例がRisky varicesとしてあげられた.肝外門脈閉塞症,高度肝障害例を除く,Risky varicesは積極的に予防的治療を行うべきであると考える.
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© 2015 日本門脈圧亢進症学会
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