日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
特発性血小板減少性紫斑病を合併した原発性胆汁性肝硬変-自己免疫性肝炎オーバーラップ症候群に部分的脾動脈塞栓術を施行した1例
仁志 麻衣子石川 剛相部 祐希白築 祥吾松田 崇史岩本 拓也高見 太郎寺井 崇二坂井田 功
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2015 年 21 巻 2 号 p. 122-127

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抄録
症例は50歳代女性.平成25年2月,特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を合併した原発性胆汁性肝硬変(PBC)-自己免疫性肝炎(AIH)オーバーラップ症候群に起因する肝硬変患者が,食道静脈瘤および血小板減少症に対する精査加療目的で当科に紹介された.前医よりウルソデオキシコール酸とともにプレドニゾロン(PSL)が投与されており,受診時PSLの維持量は10 mg/日であった.結節状食道静脈瘤に対して同月に内視鏡的静脈瘤硬化結紮療法を施行したのち,脾腫を伴う血小板減少症に対して同年4月に部分的脾動脈塞栓術(PSE)を施行した.PSE後PSLを漸減・中止したが,その後も血小板減少・肝障害増悪は認められず,食道静脈瘤の再発もなく1年以上経過している.PSLの継続投与を余儀なくされていたITP・AIH・PBC合併患者に対してPSEを施行し,PSLを中止し得た貴重な症例を経験したので報告する.
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© 2015 日本門脈圧亢進症学会
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