日本門脈圧亢進症学会雑誌
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総説
門脈圧亢進症に対する外科治療の歩み
太田 正之高山 洋臣渡邉 公紀猪股 雅史
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2016 年 22 巻 1 号 p. 18-22

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抄録

1850年代から食道静脈瘤出血は知られていたが,門脈圧亢進症の概念が確立したのは1940年代になってからであった.わが国には1950年代に門脈下大静脈シャント術などの大循環シャント術が導入されたが,高率なEck瘻症候群発生のため,1960年代にはわが国では禁忌と考えられた.1960年代に選択的シャント術や直達手術などの門脈圧非下降手術が発表され,わが国では1980年代半ばまで食道胃静脈瘤の治療として広く行われていた.しかしその後,内視鏡的治療やinterventional radiology(IVR)の導入が進み,外科治療を行う機会は減少してきている.現在の外科治療の適応は内視鏡的治療やIVRで対処不能な食道胃静脈瘤や脾機能亢進症である.また1990年代以降,新たな外科治療として下腸間膜静脈左腎静脈シャント術や腸間膜静脈左門脈(meso-Rex)シャント術が開発されている.本学会員は外科医でなくても門脈圧亢進症のスペシャリストとして,外科治療にも習熟すべきと考えられる.

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© 2016 日本門脈圧亢進症学会
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