日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
門脈肺静脈吻合を伴った胃静脈瘤に対し,バルーン閉塞下逆行性経静脈塞栓を施行した1例
林 敏彦松本 知博須田 慧富田 康介嶺 貴彦橋田 和靖長谷部 光泉永田 順子高清水 眞二小島 清一郎市川 仁志白井 孝之渡辺 勲史
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2017 年 23 巻 2 号 p. 191-196

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抄録

50代男性.肝硬変と食道胃静脈瘤のため,当院通院中であった.初回バルーン閉塞下逆行性経静脈塞栓術(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration:B-RTO)後CTで,胃静脈瘤内の血流は再開通していた.血小板増加と門脈圧減少を目的に,部分的脾動脈塞栓術(partial splenic embolization:PSE)が行われた.血小板増加を確認後,B-RTOによる再治療を企図した.バルーン閉塞下逆行性静脈造影(balloon-occluded retrograde transvenous venography:B-RTV)で胃静脈瘤は描出されず.側副路として左下横隔静脈が描出されたため,コイル塞栓を企図した.左下横隔静脈内側枝と外側枝を塞栓後,下横隔静脈食道枝から造影を行ったところ左下肺静脈に連続する短絡路を認めた.これにより,門脈肺静脈吻合(portopulmonary venous anastomosis:PPVA)と確定診断した.そこでPPVA近傍までカテーテルを進めて左下横隔静脈食道枝をコイル塞栓した後に,胃静脈瘤の塞栓を行った.術後に合併症は認めず,上部消化管内視鏡で胃静脈瘤の縮小を確認した.B-RTO時にPPVAが描出されたという報告は少ない.我々は,PPVAを伴った胃静脈瘤に対しB-RTOを施行した1例を経験したため,報告する.

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© 2017 日本門脈圧亢進症学会
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