日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
門脈圧亢進症を伴った出血性胃GISTに対し腹腔鏡下胃部分切除・脾摘術を行った1例
富安 真二朗
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2017 年 23 巻 2 号 p. 186-190

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抄録

門脈圧亢進症や肝硬変を有する悪性腫瘍の合併例には治療が困難な場合が多い.今回,門脈圧亢進症を伴った巨脾症に合併した出血性胃GISTに対し脾摘を伴う腹腔鏡手術が有用であった本症例を経験した.61歳,女性が上部消化管内視鏡検査にて,胃穹隆部の4 cm大の胃粘膜下腫瘍を指摘され,精査予定であった.発熱と吐血のため,救急搬送となり,精査加療目的に緊急入院となった.肝予備能はChild-Pugh C(score 10)と低下しており,輸血などの加療を行い,全身状態は改善した.肝硬変・門脈圧亢進症に伴う,血小板減少もあり,今後も出血する可能性が高く腹腔鏡下(HALS)脾摘と腹腔鏡下胃部分切除術を一期的に施行した.術後門脈血栓予防に抗第Xa因子阻害剤とAT-III製剤を5日間投与した.引き続いてワルファリン2 mgを内服し,術後10日目退院となった.悪性が疑われる腫瘍を合併した門脈圧亢進症においても全身状態や悪性腫瘍の進展度合いなどから安全に施行可能と判断すれば早期退院が可能な鏡視下手術を考慮してもよい.

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© 2017 日本門脈圧亢進症学会
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