日本門脈圧亢進症学会雑誌
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症例報告
急性期より経時的な肝血行動態と病態変化をとらえた門脈血栓症の3例
重福 隆太松永 光太郎渡邊 綱正中野 弘康服部 伸洋池田 裕喜松本 伸行高橋 秀明奥瀬 千晃伊東 文生鈴木 通博
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2018 年 24 巻 2 号 p. 161-168

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抄録

症例1は59歳,男性.アルコール性肝硬変患者で門脈本幹に血栓形成を認めた.血栓溶解療法で門脈血栓は溶解されなかったが側副血行路が形成された.Xenon CTでPVTBF(門脈血流),HATBF(肝動脈血流),PA ratio(門脈・肝動脈血流比)を測定したところ,経時的にPA ratioの改善を認めた.症例2は63歳,男性.背景肝正常で原因不明の動静脈血栓,門脈血栓症を発症した.血栓溶解療法で門脈本幹血栓は消失せず側副血行路が形成され,経時的にPA ratioの改善を認めた.症例3は64歳,男性.急性胆管炎で門脈左枝血栓を認め血栓溶解療法を試みたが消失せず経時的に外側区は委縮した.急性期ではいずれの症例も動脈肝であったが,側副血行路が形成された症例のPA ratioは改善した.一方で側副路形成がない症例の肝実質は委縮した.門脈血栓症では側副路形成が得られると肝血流は改善することが明らかとなった.

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© 2018 日本門脈圧亢進症学会
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