2018 年 24 巻 2 号 p. 169-174
胃全摘術後の食道-空腸吻合部に形成される静脈瘤はまれで,吻合部近傍からの出血という特殊性ゆえ緊急止血法は確立されていない.我々が経験した3症例は全例が慢性肝疾患患者で,術後長期間経過後に吻合部静脈瘤が破裂した.静脈瘤の内視鏡所見は吻合部ヒダ近傍にRCサイン陽性の脆弱な静脈拡張を伴い,出血点は吻合部上かその空腸側に存在した.連続する食道静脈瘤は比較的小さかった.止血手段はEVLが不適のため主にclipを試みたが,確実性に乏しく追加の止血手段は様々であった.胃全摘術後の吻合部静脈瘤破裂に際しては止血に難渋することが多く,内視鏡やIVRなど複数の治療手段を有する施設での加療が望ましい.