日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
Print ISSN : 1344-8447
ISSN-L : 1344-8447
症例報告
バルーン下逆行性経静脈的塞栓術で血栓化せず部分的脾動脈塞栓術追加にて胃腎短絡路の閉塞が得られた1例
木村 修
著者情報
ジャーナル 認証あり

2021 年 27 巻 1 号 p. 71-77

詳細
抄録

60歳台男性.C型肝硬変で当院を通院.胃静脈瘤の増悪を認めたため,治療目的に2017年4月に入院となった.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術を行い,18時間後血栓化を確認し翌日カテーテルを抜去した.抜去後のCTで胃腎短絡路の再開通を認めたため,再治療前に部分的脾動脈塞栓術を追加した.部分的脾動脈塞栓術後のCTでは胃腎短絡路の血流を認めており退院とした.1か月後再治療目的のバルーン下逆行性経静脈造影では排血路が描出されず,CTでも胃腎短絡路の血栓化が得られた.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術不成功後に部分的脾動脈塞栓術のみで胃腎短絡路の閉塞が得られた症例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2021 日本門脈圧亢進症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top