2022 年 28 巻 2 号 p. 210-214
当科で経験した門脈膿血栓症8例につき,その治療介入の意義につき検討した.門脈膿血栓症診断は造影CTにて門脈に造影不良域がありかつ血液培養からグラム陰性桿菌が検出されたものとした.男性6例,女性2例.年齢中央値60(18~85)歳.基礎疾患:糖尿病,胆管結石排石後,慢性腎不全,腸回転異常症,自己免疫性肝炎,原発性硬化性胆管炎,先天性胆道拡張症,胆管癌.全例で発熱,肝障害は3例のみ認めた.4例に経皮経肝門脈穿刺を行い,膿汁を吸引しカテーテル留置,抗生剤・ウロキナーゼの門脈内注入を行った.診断まで7日間要した例では,門脈本幹は完全閉塞し後に肝外門脈閉塞症を来した.それ以外の3例では抗生剤とダナパロイドナトリウム,アンチトロンビンの経静脈的投与を行った.門脈膿血栓症はまれであるが,発熱を伴う門脈血栓症を認める場合は念頭に置くべき疾患であり,早期診断,治療介入が必要である.なお経皮経肝門脈穿刺は,膿血栓消退不良例では考慮に入れておくべきアプローチ法であると思われた.