日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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食道胃静脈瘤治療の遠隔成績
-シャント術 (DSRS with SPGD) 症例を中心に-
奥芝 俊一北城 秀司金谷 聡一郎伊藤 清高杉浦 博大野 耕一高橋 利幸加藤 紘之
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1997 年 3 巻 2 号 p. 141-144

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抄録
食道胃静脈瘤に対するシャント手術では遠隔期で多くが肝性昏睡, 高アンモニア血症を呈するが, 当科で施行しているDSRS症例では2例 (3.1%) に過ぎなかった.また, 遠隔成績は3年生存82.8%, 5年生存80.3%, 9年生存で70.9%と良好であった.術前後のcombined therapyとしての内視鏡的治療はQOLの点で有用であった.また, 問題点としては, DSRS術後の再発静脈瘤やportal hypertensive gastropathyを呈する症例のなかに腎静脈周囲の血行動態の関与を示唆する症例があり, フォローアップの際には留意する必要がある.内視鏡的ドプラ血流計や超音波内視鏡は術前後の病態把握や治療効果の判定などフォローアップには極めて有用であり, combined therapyとして適宜内視鏡的治療を付加することが肝要である.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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