日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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孤立性胃静脈瘤に対するバルーン下逆行性経静脈的塞栓術の検討
-とくに高濃度ブドウ糖液を用いた手技の有効性について-
谷口 英明武南 達郎河合 公三
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1997 年 3 巻 3 号 p. 245-249

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抄録
当院でB-RTOを行った孤立性胃静脈瘤11症例について検討した.11例中10例は大きな合併症はみられず, 胃静脈瘤を消失させることができた.胃腎短絡路をバルーンで閉塞させた後, 逆行性に造影し, 胃静脈瘤の流入路および流出路を確認した.流入路は, 短胃静脈, 後胃静脈が主体であるものが8例, 左胃静脈が主体であるものが3例であった.また, 流出路は胃腎短絡路以外の副流出路が全例に認められた.当院では副流出路に対し, バルーン閉塞下に50%もしくは70%ブドウ糖液を注入することで副流出路をできるだけ遮断させるようにしている.50%もしくは70%ブドウ糖液は安全性が高く, また細い副流出路であれば容易に血流を遮断することが可能であり, 前処置として有効な手段の一つと考えられた.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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