日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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内視鏡的治療後の遺残再発静脈瘤に対するHassab手術成績の検討
大原 成官高森 繁渡辺 心大橋 薫児島 邦明深澤 正樹別府 倫兄二川 俊二
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1998 年 4 巻 1 号 p. 20-25

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抄録
EISもしくはEVL後の遺残再発静脈瘤に対しHassab手術を施行した36症例を対象に, 遺残再発静脈瘤の特徴および手術成績について検討した.遺残再発静脈瘤占居部位は, 食道胃静脈瘤26例, 食道静脈瘤単独4例, 胃静脈瘤単独5例であった.術前内視鏡所見で最も多かったのは, 食道静脈瘤では, Lm (55%), F2 (58%), 胃静脈瘤では, Lg-cf (43%), F2 (47%) であり, 食道静脈瘤の97%, 胃静脈瘤の36%がRCサイン陽性であった.術後, 食道静脈瘤は36例中29例 (81%) に消失がみられ, 胃静脈瘤は全例消失していた.長期予後での死亡症例は13例で, 死因は肝不全, 肝癌, 消化管出血であり, 静脈瘤の破裂出血はなかった.内視鏡的治療法後の遺残再発静脈瘤には, Hassab手術との併用療法が有効であると思われた.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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