日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
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胃静脈瘤の診断におけるカラードプラ法およびパワードプラ法の有用性
佐藤 隆啓山崎 克豊田 成司狩野 吉康大村 卓味
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1998 年 4 巻 3 号 p. 316-320

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抄録
未治療の孤立性胃静脈瘤19例に体外走査によるカラードプラ法ならびにパワードプラ法を施行し, 胃静脈瘤と胃静脈瘤への流入血管である短胃静脈, さらに流出血管である胃腎短絡路の検出について検討した.胃静脈瘤の形態はF2 15例, F3 4例で占拠部位別にはLg-cf 12例, Lg-f 7例であった.方法は脱気水を300ml飲水後, 左肋間走査により脾臓を介し, 血流信号の観察を行った.カラードプラ法で胃静脈瘤は19例中17例 (89.5%) に, 胃腎短絡路は19例中17例 (89.5%) に血流信号が検出された.しかし, 短胃静脈はカラードプラ法では同定できなかった.一方, パワードプラ法は10例に施行し, 胃静脈瘤は10例全例に, 胃腎短絡路は10例中9例 (90.0%) に血流信号が検出された.短胃静脈については10例中6例 (60.0%) に血流信号の観察が可能であった.胃静脈瘤と胃腎短絡路あるいは短胃静脈の血流信号の連続性の描出はパワードプラ法が良好であった.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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