日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌
Online ISSN : 2187-1213
Print ISSN : 1341-6375
ISSN-L : 1341-6375
4 巻, 3 号
選択された号の論文の26件中1~26を表示しています
  • 北野 正剛
    1998 年4 巻3 号 p. 217-218
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 金川 博史, 川西 輝明, 後藤 賢一郎, 香山 明一, 美馬 聰昭, 関谷 千尋
    1998 年4 巻3 号 p. 219-221
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胃穹窿部静脈瘤に対して施行したB-RTO80例の長期予後を検討した.累積生存率は1年93.3%, 5年55.3%であった.また胃静脈瘤の累積再発率は3年1.4%, 5年, 6年4.4%と低率であった.遠隔死因の50%は肝癌死であり, B-RTO施行例では肝癌の有無が予後を規定する第一の因子と考えられた.
  • 林 星舟, 佐伯 俊一, 鶴田 浩二
    1998 年4 巻3 号 p. 222-228
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    Hassab手術あるいはバルーン下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO) により予防的治療を施行した胃穹窿部静脈瘤27例を対象に, 治療効果と肝機能の推移, 門脈血行動態の変化について検討し, その有効性について評価した.1.胃穹窿部静脈瘤は全例で消失し, 観察期間中に再発は認めなかった.2.重篤な合併症は手術施行例における難治性腹水が出現した1例のみであった.3.上腸間膜動脈造影所見で遠肝性血流を認め, かつ胃腎短絡路 (胃下横隔静脈短絡路) の最大径が10mm以上の症例では, 治療1年後にAlb値の有意な上昇とICG15分値の有意な改善を認めた.4.これら短絡路以外の側副血行路も認めた症例では, 治療後にRC陽性食道静脈瘤の出現を来す頻度が高かった (治療前42.9%, 4年84.1%) のに対して, 非併存例ではその頻度は低かった (治療前0%, 4年16.7%).以上より, 症例を適切に選択することができれば, 胃穹窿部静脈瘤に対する予防的治療の有効性は高いものと思われた.
  • -出血と再発の予知-
    入澤 篤志, 小原 勝敏, 斎藤 文子, 宍戸 英夫, 滝口 藤夫, 坂本 弘明, 西間木 友衛, 粕川 禮司
    1998 年4 巻3 号 p. 229-234
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    当科で経験した孤立性胃静脈瘤 (Lg) 89例の内視鏡的特徴から, Lg症例に対する予防的硬化療法の適応についてretrospectiveに検討した.さらに, 超音波内視鏡 (EUS) から再発予知因子についても検討した.出血例は, F因子はF2以上と大きい傾向にあり, RC sign陽性例とerosion陽性例で出血の頻度が高かった.Lgの存在部位別ではLg-fの出血率が高い傾向にあった.再発例のEUS的検討では, 治療後の胃壁内に, 貫通血管を伴う無エコー管腔像が観察される症例, および胃漿膜に接して観察される径の小さな血管群 (peri-gastric collateral veins) が高度に認められた症例で再発が有意に多い結果であった.Lg出血は大量出血を起こし, しばしば生命予後にも影響を及ぼす.今回の検討で得られた出血の危険因子, および再発予知因子が認められた場合には, 積極的に予防的治療を施行することが必要と考えられた.
  • 深沢 正樹, 中西 亮, 児島 邦明, 別府 倫兄, 二川 俊二
    1998 年4 巻3 号 p. 235-240
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    教室において胃静脈瘤単独症例28例に対して行ったHassab手術の成績を検討した.手術死亡はChild Cの1例のみで, その他の症例では静脈瘤の占居部位や供血路の如何を問わず, 全例術後1カ月目の内視鏡で胃静脈瘤は消失し, その後も再発は認めていない.また2例で術後食道静脈瘤の発生をみたが, いずれも軽度で1例は内視鏡的食道静脈瘤硬化療法 (EIS), 1例は経過観察で出血例はなかった.さらに術後に脾機能亢進症, 肝性脳症の改善と, 一部肝機能の改善を認めた例もあった.食道静脈瘤に比して胃静脈瘤は発生頻度や破裂出血は低いものの, 一旦出血を来すとその量も多く, また静脈瘤の占居部位や供血路によって治療法を選択しなければならず, 各治療法の安全性や確実性に必ずしも意見の統一をみていない現段階では, とくに短期間に出血を来すことの多いEIS後胃静脈瘤遺残・発生例も含め, 予防的治療法としてHassab手術は有用であると考えられた.
  • 黒川 剛, 野浪 敏明, 原田 明生, 中尾 昭公, 高木 弘
    1998 年4 巻3 号 p. 241-244
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    過去9年7カ月の間に, 当科において直達手術を行った胃静脈瘤患者27例 (食道静脈瘤合併例を含む) の治療成績を検討した.門脈圧亢進を来した基礎疾患は, 肝硬変症21例, 肝外門脈閉塞症3例, 特発性門脈圧亢進症3例であった.胃静脈瘤からの出血歴のある症例は6例であった.施行術式は, 食道離断18例, Hassab手術を5例, Hassab手術に硬化療法または結紮術の組合せを4例に行った.胃静脈瘤単独例にはHassab手術をおもに行った.術後平均観察期間は977.7日であった.術後合併症は3例 (11.1%) に認められた.術入院死はなかった.胃静脈瘤再発に関しては, 術後の内視鏡で27例全例で消失し, 観察期間中の再発再燃は全くなかった.この結果, 胃静脈瘤に対する直達術の長所は高い治療成績であり, 短所は術後合併症の可能性があることであった.
  • -予防的治療の適応-
    三橋 修, 松谷 正一, 佐藤 悟郎, 丸山 紀史, 中野 陽子, 深町 唯博, 税所 宏光
    1998 年4 巻3 号 p. 245-248
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    穹窿部胃静脈瘤91例で, 静脈瘤出血と門脈血行動態との関連を経皮経肝門脈造影および超音波ドプラ法を用いて検討した.出血既往のない, 未治療の経過観察例38例での累積出血率は, 5年27.4%であった.胃静脈瘤出血例での門脈圧は平均318mmH2Oであり, 非出血例 (258mmH2O) に比し高値であった (p < 0.05).胃静脈瘤例では, 出血例, 非出血例共に約60%が脾門部の短絡路が静脈瘤への主要な供血路となっていた.出血例での静脈瘤供血路の血流速度は, 非出血例に比し高値を示す傾向を認めた (p=0.053).出血例では脾静脈での逆流が32.3%と, 非出血例での12.5%に比し高率であった (p < 0.05).また経過観察例でも脾静脈での逆流例では3年出血率が33.3%と, 順流例の18.6%に比し高率であった (p < 0.05).穹窿部胃静脈瘤出血に関連した血行動態上の因子として, 高い門脈圧と高度な静脈瘤血流が重要と考えられた
  • -硬化療法非施行例との比較による検討-
    松村 雅彦, 本田 泰啓, 小泉 雅紀, 梅本 典江, 森安 博人, 福井 博
    1998 年4 巻3 号 p. 249-253
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胃静脈瘤に対する予防的硬化療法 (EIS) の是非につき, EIS施行例とEIS非施行例との予後を比較することにより検討した.対象は形態がF2以上の胃静脈瘤を有し未だ出血のない症例で, EIS施行例が31例, EIS非施行例が30例である.EISは透視下にてiopamidol混和5%ethanolamine oleate (EOI) の直接穿刺法を施行した.予後については累積出血率, 累積出血死亡率, 累積死亡率を比較するとともに多変量解析により予後規定因子を検索した.累積出血率, 累積出血死亡率, 累積死亡率ともEIS施行例の方がEIS非施行例に比べ有意に低率であった.さらに, 比例ハザードモデルによる多変量解析では予防的EIS施行の有無が出血および死亡の規定因子として有意であった.以上より, F2以上の静脈瘤を有する症例における予防的胃静脈瘤硬化療法は予後からみてきわめて有用であることが示唆された
  • 近森 文夫, 奥宮 一矢, 国吉 宣俊, 渋谷 進, 高瀬 靖広
    1998 年4 巻3 号 p. 254-260
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胃静脈瘤 (GV) に対する予防的TJOの是非について治療成績から検討した.対象はTJO施行GV34例中予防27例で, 原疾患は肝硬変症19, 肝癌7, 慢性肝炎1例で, 年齢は58±8歳, M/F=16/11である.使用硬化剤量はエタノール5.7±3.7ml, 5%EOI12.4±7.1mlであった.肝機能検査値はAlb (g/dl) 前3.0±0.4, 後3.1±0.4 (NS), T.Bil (mg/dl) 前1.6±0.8, 後1.3±0.6 (NS), ICG15 (%) 前41±18, 後29±16 (p<0.05), NH3 (μg/dl) 前103±57, 後67±30 (p<0.05) であった.GV消失率は100%で, 脳症併存4例は術後全例改善した.累積生存率は1年96%, 5年69%であったが, 累積食道静脈瘤発生率は1年39%, 5年58%であった.現時点におけるGVに対する予防的TJOの絶対的適応はシャント脳症併存例にあり, シャント脳症非併存例においても食道静脈瘤硬化療法と一体化するという条件のもとで予防的TJOの相対的適応は成立しうるものと思われた
  • 橋爪 誠, 田上 和夫, 森田 真, 富川 盛雅, 八木 誠司, 太田 正之, 杉町 圭蔵
    1998 年4 巻3 号 p. 261-265
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胃静脈瘤に対する治療法には, おもに手術療法, 硬化療法, interventional radiologyの3つがある.わが国の大半が予防的に治療されているが, 治療の適応基準が曖昧で, 易出血性胃静脈瘤についての内視鏡所見記載基準の再検討が必要である.急性出血例に対しては硬化療法が第1選択であり, 止血率は97%である.待期予防的治療としては, 現時点においては, 孤立性胃静脈瘤であれば, Hassab手術が10年累積非再発率100%と最も有効である.適応症例が広く, 侵襲が小さいことを考慮するとB-RTOが今後さらに普及するものと考えられる.胃静脈瘤治療においては, 予防症例での長期の出血の予防は期待できるが, 予後は基礎疾患に規定される
  • -病理学的検討-
    荒川 正博, 益崎 隆雄, 久原 克彦
    1998 年4 巻3 号 p. 266-270
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胃静脈瘤予防治療の是非を検討するには胃静脈瘤の病態と破綻した症例の病理学的所見の検討は欠かすことは出来ない.われわれは19例の穹窿部静脈瘤にゼラチン添加バリウムを注入, その血管構築を検討し, さらに8例の胃静脈瘤からの破綻出血例を経験したのでこれらの検討から得られた成績を述べる.1) 胃静脈瘤は粘膜下層を蛇行して走行する大きな拡張した血管からなっている.2) 胃壁内で分枝する血管は少なく, 食道静脈瘤のように静脈瘤が重積することはほとんどない.3) 破綻した例では静脈瘤壁の断裂と共に粘膜筋板, 粘膜固有層も断裂している.4) 破綻周囲の粘膜の炎症の程度は強い例もあるが全体的には破綻と炎症の関係は明らかではない.これらの成績より胃静脈瘤では一旦破綻すると食道静脈瘤と異なり, その出血量は多く, 治療に難渋することが考えられる.
  • 梅原 敬司, 松谷 正一, 中野 陽子, 三橋 修, 鈴木 利也, 佐藤 悟郎, 丸山 紀史, 税所 宏光
    1998 年4 巻3 号 p. 271-274
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    経口糖負荷時の門脈血流の変化からみた肝硬変での門脈循環亢進状態について, 肝硬変28例および非肝疾患9例を対象に超音波ドプラ法を用いて検討した. (1) 空腹時において, 肝硬変は非肝疾患と比べて脾静脈および上腸間膜静脈の血流量は増加していたが, 門脈幹血流量は差がみられなかった. (2) 糖負荷後において, 肝硬変は非肝疾患と比べて脾静脈, 上腸間膜静脈, 門脈幹における血流の変化率に乏しかった. (3) 糖負荷後の肝硬変での門脈幹と左胃静脈の血流量の変化率には負の相関関係が生じた.以上より肝硬変では脾臓や腸管における循環亢進状態がみられるが, 食事摂取による生理的な反応性循環亢進の低下が示唆された.
  • 是枝 ちづ, 佐藤 正博, 岡島 愛, 松崎 恒一, 竹内 幸俊, 水野 孝子, 河 相吉, 井上 恭一
    1998 年4 巻3 号 p. 275-279
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    部分脾動脈塞栓術 (PSE) 後の肝脾相関につき肝の病態変動を血行動態, アシアロシンチ (GSA), サイトカインにより検討した.対象は肝硬変症17例.PSE前後にUSドプラ法にて脾静脈, 門脈本幹の門脈血流量とGSA活性についてLHL/HH, Rmax, SPECTによる肝容積, 肝血流量の各受容体指標とICGR15およびhuman hepatocyte growth factor (HGF) とtransforming growth factor-β1 (TGF-β1) を測定した.PSE施行後, 門脈血流量は脾静脈, 門脈本幹とも有意に低下したが, ICGには変動はなく, またGSAはLHL/HHとRmaxは3日後の早期に有意に改善したが, 30日後の後期には前値に復した.肝容積と肝血流量には有意な変動は認められなかった.HGFはPSE後1~3日後の早期に有意に上昇し, TGF-β1はHGFに遅れて14日後に上昇した.以上よりPSE後に門脈血流は低下し, GSA活性はHGFに相応し早期に上昇し, 後期にはTGF-β1に相応し抑制されたが, 肝容積, 肝血流には変化がなかった.PSEは, 肝血流, 肝容積とは別に肝の機能的変動を生じさせると考えられた.
  • 萩原 優, 小森山 広幸, 田中 一郎, 中野 末広, 生沢 啓芳, 金杉 和男, 長岡 至朗, 岡野 亨, 山口 晋
    1998 年4 巻3 号 p. 280-283
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    直達手術を施行した6症例 (Hassab手術5例, 経腹的食道離断術1例) で, 術中の動脈圧, 門脈圧を経時的にモニターした.また, 超音波トランジットタイム血流計により左胃静脈と短胃静脈の血流量の変化を計測した.一部の症例ではMR portographyにより手術前後で門脈血流量を測定した.結果は1) 動脈圧と門脈圧は直線的な正の相関がみられた.2) 脾摘に門脈圧は大部分で下降したが, 血行遮断後には術前より上昇した例と下降した例がみられた.3) 左胃静脈と短胃静脈の血流の変化は, 脾動脈結紮により左胃静脈の血流量は減少した.その理由としては門脈本幹の血流量が減り二次的に左胃静脈の血流も減少した結果であり, 遠肝性の側副血行路と考えられた.4) 直達手術前後における門脈圧と門脈血流量の変化をみると, 直達手術前後で門脈圧は変化しなかったが, 門脈血流量は80%以下に下降した.このことは門脈圧の血行動態を考える上で興味深い所見である.
  • 荒牧 琢己, 岩尾 忠
    1998 年4 巻3 号 p. 284-289
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 小林 聡, 中沼 安二, 松井 修, 山城 正司, 高島 力
    1998 年4 巻3 号 p. 290-293
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胆管周囲毛細血管叢 (PBP) は肝内胆管周囲に分布する内層・外層からなる2層性の血管叢である.正常肝と肝硬変肝でPBP像を比較し, さらにPBP周囲の肥満細胞の観察を行った. PBPの観察は正常剖検肝15例, 肝硬変肝12例を対象にパラフィン包埋切片にUEA-1染色を行いPBPの状態をスコア化して行った.肝硬変では, 正常肝に比べ内層・外層ともPBPが増加し, また著明な拡張を認めた.また, 正常剖検肝9例, 肝硬変肝10例を対象に, 肥満細胞に特徴的な中性蛋白分解酵素の一つであるトリプターゼの免疫染色を行い, グリソン鞘内の肥満細胞の分布を観察した.正常肝, 肝硬変ともPBP周囲に肥満細胞が豊富に分布し, 血管作動性物質であるヒスタミンが陽性であった.門亢症を有する肝硬変肝でPBPは肝内末梢の門脈血流減少を代償する側副血行路の役割を果たし, これらの血管の調節に肥満細胞が関与している可能性が示唆された.
  • 司城 博志, 横山 昌典, 角光 茂, 奥村 恂
    1998 年4 巻3 号 p. 294-295
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    肝硬変症における内因性nitric oxide (NO) 産生と肝循環, 門脈循環との関連について述べた.肝硬変症では腸間膜動脈領域, 肝類洞での内因性NOの産生が亢進している.腹部領域でのNO産生の亢進は肝硬変症の門脈, 肝循環と密接な関連があり, NOはその血管拡張作用により, 求肝性の門脈血流を増加させる.また, 肝類洞を弛緩し, 有効肝血流量を増加させる.以上の成績から, 肝硬変症における内因性NO産生の亢進は硬変肝の血流を維持するための代償機転である可能性がある.腸間膜動脈領域のNO産生の亢進は求肝性の門脈血流を増加させるが, 結果として門脈圧を上昇させる.
  • 蓮見 昭武, 藤田 順子, 岡本 喜一郎, 杉岡 篤, 小森 義之, 宇山 一朗, 江崎 哲史, 松井 英男, 鳥居 和之, 曽我 良平, ...
    1998 年4 巻3 号 p. 296-302
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    肝硬変症性門脈圧亢進症・食道胃静脈瘤の治療に際しては, 門脈系領域の循環異常, とくに食道胃静脈瘤の発症に直接関連する循環異常の病態を, 正しく理解しておくことが肝要であり, 門脈圧亢進にともなう遠肝性副血行路としての病態とともに, 下部食道胃噴門部領域における粘膜下A-VA開大増加にともなう循環亢進状態としての病態の有する意義を十分認識しておかねばならない.静脈瘤発症の病態に対応した治療としては, 遠肝性副血行路血流と局所流入動脈血流の両血流をともに遮断する方法, もしくは下部食道胃噴門部領域の血流を大循環系ヘドレナージする方法が, 合理的な治療法となる.そこで, 現行の各種静脈瘤治療法それぞれの循環異常の病態からみた意義について検証し, 適応・治療限界などを明確にするとともに, とくに非観血的治療法における問題点と今後の課題を呈示した.
  • 中西 亮, 大橋 薫, 児島 邦明, 深沢 正樹, 別府 倫兄, 二川 俊二
    1998 年4 巻3 号 p. 303-308
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    腹部血管造影より肝硬変合併食道静脈瘤症例の成因および食道静脈瘤の増大因子を検討した.左胃静脈の血流方向に注目し症例を遠肝性血流群, 求肝性血流群, 両方向血流群, 血流不明群に分類したところ, 肝機能障害高度になるにつれ, 左胃静脈血流は求肝性から遠肝性あるいは両方向性に変化していくと考えられた.また食道静脈瘤の程度と左胃動脈, 左胃静脈所見の比較検討より, 食道静脈瘤の増大因子としては左胃動脈血流より左胃静脈を逆流する血流の影響が大きいと考えられた.経胸食道離断術の効果をみると, 遠肝性血流群症例に術後の食道静脈瘤の遺残がみられた.また術後の血管造影所見より傍食道静脈や胃腎短絡路の温存が遺残・再発予防に有効と考えられた.食道静脈瘤の治療を考える場合は治療前の左胃静脈の血流方向に注目し治療効果を予測し, 治療方法を検討することが重要と考えられた.
  • 森下 鉄夫, 関塚 永一, 永田 博司, 穂苅 量太, 宮崎 耕司, 立道 昌幸, 余語 由里香, 三浦 聡之, 岩橋 宏美, 大庭 堅太郎 ...
    1998 年4 巻3 号 p. 309-310
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 拡散-血流障害
    勝田 悌実, 本間 博, 張 雪君, 大須賀 勝, 古明地 弘和, 関山 達也, 荒牧 琢己
    1998 年4 巻3 号 p. 311-313
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 間宮 康貴, 金沢 秀典, 楢原 義之, 長田 祐二, 吉本 均, 斉藤 整, 小林 正文
    1998 年4 巻3 号 p. 314-315
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 隆啓, 山崎 克, 豊田 成司, 狩野 吉康, 大村 卓味
    1998 年4 巻3 号 p. 316-320
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    未治療の孤立性胃静脈瘤19例に体外走査によるカラードプラ法ならびにパワードプラ法を施行し, 胃静脈瘤と胃静脈瘤への流入血管である短胃静脈, さらに流出血管である胃腎短絡路の検出について検討した.胃静脈瘤の形態はF2 15例, F3 4例で占拠部位別にはLg-cf 12例, Lg-f 7例であった.方法は脱気水を300ml飲水後, 左肋間走査により脾臓を介し, 血流信号の観察を行った.カラードプラ法で胃静脈瘤は19例中17例 (89.5%) に, 胃腎短絡路は19例中17例 (89.5%) に血流信号が検出された.しかし, 短胃静脈はカラードプラ法では同定できなかった.一方, パワードプラ法は10例に施行し, 胃静脈瘤は10例全例に, 胃腎短絡路は10例中9例 (90.0%) に血流信号が検出された.短胃静脈については10例中6例 (60.0%) に血流信号の観察が可能であった.胃静脈瘤と胃腎短絡路あるいは短胃静脈の血流信号の連続性の描出はパワードプラ法が良好であった.
  • -ヒストアクリル (75%) 一期的注入の試み-
    遠藤 高, 斎藤 行世, 佐藤 勝久, 斎藤 道也, 菊地 徹
    1998 年4 巻3 号 p. 321-327
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    1992年から胃静脈瘤に対する組織接着剤による内視鏡的硬化療法 (以下本法) を導入し, 1997年までに17例 (計31回) に対して施行した.対象は全例肝硬変合併例で, 出血例10例, 予防例7例である.使用した組織接着剤は, α-cyanoacrylate monomer (CA) および, n-butyl cyanoacrylate (HA) である.その内訳は, CA (50) 2例6回, HA (50) 2例3回, HA (67) 6例12回, HA (75) 7例10回である (括弧内に組織接着剤の濃度を示した).出血例10例では, 初回治療に8例で組織接着剤を使用し, 全例で一時止血可能であった.全17例中11例で, 胃静脈瘤の完全消失を目的として内視鏡的治療を追加した.その結果, 胃静脈瘤は4例で消失, 9例で縮小, 4例が不変であった.消失した4例中3例は, 75%HAを使用した症例であった.高濃度のHA症例の方が, 追加治療の回数は少なかった.体循環, 門脈へのポリマーの流出を3例で認めたが, これらの症例を含め全対象群において重篤な合併症は認めなかった.本法は, 出血例において止血効果が高く, 高濃度, とくに75%HAであれば4mlを目安に注入することにより, 安全に胃静脈瘤を一期的に治療可能な方法と位置付けている.
  • -カラードプラ超音波内視鏡を用いて-
    坂本 仁, 西田 均, 熊野 雄一, 青柳 有司, 石井 誠, 三田村 圭二
    1998 年4 巻3 号 p. 328-335
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤硬化療法に使用する内視鏡装着バルーンの食道壁内静脈瘤血流 (壁内血流) の遮断効果と食道壁穿通枝の関連を検討した.食道静脈瘤合併門脈圧亢進症29症例を対象に, 装着バルーン送気後 (送気後) の壁内血流の変化を, カラードプラ超音波内視鏡観察により検討した.送気後の壁内血流消失例 (消失群) は8例27.6%, 壁内血流減少例 (減少群) は10例34.5%, 壁内血流不変例 (不変群) は11例37.9%であった.消失群の全例に穿通枝は描出されなかった.Pipe line varices症例を除く減少群と不変群の計18例中13例72.2%に穿通枝が描出され, その内7例 (7/13 : 54%) で穿通枝は流出性であった.静脈瘤の内視鏡所見, 肝機能のChild-Pugh分類, 他の側副血行路の有無と壁内血流の遮断効果との間に関連はなく, 食道壁外静脈瘤血流量 (壁外血流量) スコアが各群間で有意な相関を認めた.血流遮断効果は穿通枝の有無と関連があり, 壁外血流量スコアが高い例では穿通枝が発達し, 送気後壁内血流が消失し得ないと推察された.
  • 稲垣 均, 野浪 敏明, 黒川 剛, 原田 明生, 中尾 昭公, 高木 弘
    1998 年4 巻3 号 p. 336-339
    発行日: 1998/10/15
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    胃食道静脈瘤に対する胃上部切除術を主とした直達手術の術後長期経過観察症例の中から, 再発例および出血例について検討した.対象は1973年以降の術入院死や肝癌発症例を除いた直達手術症例152例である.CbF2以上またはRC (1+) 以上を術後再発とした.全体の術後累積5年再発率と出血率は, それぞれ35%, 18%であった.年代別でみると, 胃上部切除術から自動吻合器を用いた噴門部切除術に術式が変更した1984年以降, 再発率は5年で42%と有意に増加したが, 内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の普及により, 出血率の増加を認めていない.さらに1989年以降内視鏡的静脈瘤結紮術を基本に内視鏡的食道静脈瘤硬化療法とのコンビネーションによる追加治療が定着し, 5年出血率は0%であった.厳重な経過観察と再発例に対する早期かつ積極的な追加治療を行うことにより, 出血の予防とQOLの改善が期待される.
feedback
Top