日本門脈圧亢進症学会雑誌
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食道静脈瘤治療における症例経験数と再発率
塩澤 宏和西崎 泰弘森野 文敏小山 礼佐久間 惠子青木 純松崎 松平渡辺 勲史峯 徹哉幕内 博康
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2006 年 12 巻 2 号 p. 126-129

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抄録
食道静脈瘤治療において, 同一術者の治療症例経験数と再発率を対比し, 治療技術習得における経験につき検討した.食道静脈瘤30例を治療年代順に10例ごとの3期および15例ごとの2期に分けそれぞれの再発率を対比したところ, 3期に分けた検討では, 前期50%, 中期20%, 後期10%と治療年代が遅くなるほど再発率は低くなる傾向にあり, 2期に分けた検討では前期46.7%, 後期6.7%で有意差が示された (ρ=0.039).またF因子, 門脈腫瘍塞栓, 治療法等を含めた多変量解析でも, 治療年代が最も再発に強く影響し有意差が示された (ρ=0.022).およそ10例の症例経験で治療手技が安定し始め, 15-20例の経験で確実な技術習得が可能になると思われた.
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