日本門脈圧亢進症学会雑誌
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Sengstaken-Blakemore tube補助下経鼻的食道静脈瘤硬化療法の経験
大橋 憲嗣森 昭裕酒井 勝央建部 英春奥野 正隆
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2008 年 14 巻 4 号 p. 293-296

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抄録
食道静脈瘤硬化療法 (EIS) を嘔吐反射や苦痛が少なく循環動態への影響が小さい経鼻内視鏡とSengstaken-Blakemore tube (S-B tube) を併用することでより安全に施行する方法, S-Btube補助下経鼻的食道静脈瘤硬化療法を考案した.これは鎮静剤が不要または最小量ですむ, 嘔吐反射が少ないため視野が安定する, 誤嚥が起こりにくい, S-B tubeにより内視鏡は食道壁に固定されるため穿刺部位がぶれず穿刺しやすい, S-B tubeにより口側への硬化剤の流出と後出血の予防ができる, S-B tubeによる緊急止血術より連続してEISが可能, などの利点がある.現在までに7例施行し, 全例瘤内注入可能で重篤な偶発症を認めなかった.この方法は, 安全で確実なEIS法の一つとなる可能性が示された.
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