日本門脈圧亢進症学会雑誌
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14 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 大橋 憲嗣, 森 昭裕, 酒井 勝央, 建部 英春, 奥野 正隆
    2008 年14 巻4 号 p. 293-296
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤硬化療法 (EIS) を嘔吐反射や苦痛が少なく循環動態への影響が小さい経鼻内視鏡とSengstaken-Blakemore tube (S-B tube) を併用することでより安全に施行する方法, S-Btube補助下経鼻的食道静脈瘤硬化療法を考案した.これは鎮静剤が不要または最小量ですむ, 嘔吐反射が少ないため視野が安定する, 誤嚥が起こりにくい, S-B tubeにより内視鏡は食道壁に固定されるため穿刺部位がぶれず穿刺しやすい, S-B tubeにより口側への硬化剤の流出と後出血の予防ができる, S-B tubeによる緊急止血術より連続してEISが可能, などの利点がある.現在までに7例施行し, 全例瘤内注入可能で重篤な偶発症を認めなかった.この方法は, 安全で確実なEIS法の一つとなる可能性が示された.
  • 澤田 晋, 山田 雅哉, 安田 宏, 平田 邦代, 遠藤 豊, 井上 和明, 与芝 真彰
    2008 年14 巻4 号 p. 297-300
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    発症時期が不明で, 慢性に経過していた門脈血栓症に対して抗凝固・血栓溶解療法を行った.まず最初にアンチトロンビンIII (以下AT III) やダナパロイドナトリウムを使用し, その後ワーファリンを投与した症例が2例, 最初からワーファリンのみ投与した症例が4例の計6症例.AT IIIやダナパロイドナトリウムを使用した症例では治療中の門脈血栓の縮小は得られなかった.だが, ダナパロイドナトリウム投与後にワーファリン投与していた1症例にて, 門脈血栓の縮小を5カ月後に認めた.またワーファリンのみ投与した1症例で門脈血栓の縮小を11カ月後に認めた.ワーファリン投与により6症例中2例 (33%) に改善を認めた.治療効果は決して高くなく, 長期の投与を必要とするが, 外来で施行可能, 安価であり, 慢性に経過する門脈血栓症の初期治療として試みてよい治療の一つと思われる.
  • 木戸 こずえ, 池上 正, 斉藤 吉史, 平山 剛, 伊藤 真典, 岩本 淳一, 松崎 靖司
    2008 年14 巻4 号 p. 301-305
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    42歳女性, 中学時代から18歳頃まで, 不明熱のためリウマチアレルギー科通院の既往がある.平成6年 (29歳時) に子宮筋腫の手術を受け, このとき血小板数は正常.ピルの内服, 妊娠, 出産歴はない.平成11年 (34歳時) に血小板減少を主訴として前医を受診, 肝萎縮, 脾腫を指摘された.入院のうえ精査がなされたが, 血液学的異常を認めず経過観察のみとされた.平成13年 (36歳時) に食道静脈瘤破裂による吐血があり, EIS施行.同時期に肝生検を施行され, 肝硬変は認めていない.平成17年 (40歳時) に再度食道静脈瘤に対してEVL, APCが施行された.この頃から発熱のエピソードが頻発するようになった.平成18年より当院にてフォロー開始.平成18年のCTでは, 肝外門脈血栓とcavernomatous transformationの形成が認められている.平成20年2月, 発熱, 腹痛精査のため入院したが, 全身の検索によっても明らかな感染のフォーカスは指摘できず, 絶食・補液・抗生剤投与にて速やかに症状は軽快し, 本人の希望もあり退院した.その後も外来でフォロー中だが, 半年に一度程度発熱のエピソードを繰り返している.これらの経過から, もともとはIPHの病態であったものに対し, 肝外門脈血栓症が合併したことにより病態が変化したものと推測した.若干の文献的考察を加え報告する.
  • 近森 文夫, 岡本 博司, 国吉 宣俊, 河島 孝彦, 高瀬 靖広
    2008 年14 巻4 号 p. 306-312
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    PSE後脾膿瘍の文献報告ならびに筆者らの経験症例を中心にその問題点と今後の課題について述べた.Gelatin spongeを用いたPSE術後脾膿瘍の発生頻度は0~11%であったが, アクシデンタルな100%脾梗塞を確実に防止することが重要と思われた.筆者らは, マイクロカテーテルの超選択挿入を基本に, 塞栓物質としてマイクロコイルを好んで使用してきたが, 本手技によるPSE後脾膿瘍発生率は1.2% (1/81) であった.筆者らの経験症例は50%脾梗塞率であったが, Clostridium difficile を起因菌として脾膿瘍を発症した.本症例においては積極的な培養検査と抗生剤の的確な使用, 経皮的ドレナージのタイミングがキーポイントであった.
  • 瀬川 誠, 寺井 崇二, 山崎 隆弘, 坂井 田功
    2008 年14 巻4 号 p. 313-316
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    肝硬変の診断方法として, 肝臓の硬さの診断は, 主として触診によってなされてきたが, 最近の技術の進歩により, 超音波を用いて非侵襲的に肝臓の硬さ (肝硬度, 肝弾性値) を測定する機器 (FibroScan) が臨床応用され, 肝線維化の進行と肝弾性値が相関することが明らかとなり, 肝線維化の非侵襲的な評価方法として確立しつつある.一方で, 肝弾性値は, 肝線維化などの静的因子に加え, 血流, 炎症, 胆汁鬱滞などの動的因子も関与していることが明らかになってきた.肝弾性値と門脈圧との関連性が検討されつつあり, 肝弾性値測定による門脈圧亢進症診断への応用が試みられている.肝弾性値測定により, 門脈圧亢進症の合併症である食道静脈瘤の存在診断が可能となれば, 現在肝硬変患者に対しての非侵襲的な定期検査の実施も期待できる.本総説では, 肝弾性値測定による門脈圧亢進症診断に関する現状を述べる.
  • 亀井 秀弥, 中村 太郎, 長井 俊志, 伊藤 和幸, 石津 洋二, 石上 雅敏, 木内 哲也
    2008 年14 巻4 号 p. 317-321
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 高塚 健太郎
    2008 年14 巻4 号 p. 322-329
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 近森 文夫, 西川 芳之, 村上 匡人, 河島 孝彦, 高瀬 靖広, 岡本 博司, 国吉 宣俊
    2008 年14 巻4 号 p. 330-335
    発行日: 2008/12/31
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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