日本門脈圧亢進症学会雑誌
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Waiting法 (炎症性腫脹の消退待機) を取り入れた内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の評価
松本 裕子早田 謙一小林 良正北原 大文河崎 恒久中尾 國明松本 正廣岩田 滉一郎太田 裕彦金井 弘一
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1999 年 5 巻 1 号 p. 11-18

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抄録
硬化剤 (5%エタノールアミンオレイト) の血管内注入による内視鏡的硬化療法 (EIS) は, 術後静脈瘤に炎症が生じ腫脹を来すことが多い.今回われわれは治療後の炎症性腫脹の消退を待ってから次の治療を行う『waiting法』の評価を試みた.従来法を行った1983年から1993年までの170例とwaiting法を開始した1993年から1998年までの48例を比較したが, 静脈瘤消失率 (非癌例) は従来法65.3%に対しwaiting法では93.9%と有意に高く, 消失例での再発率も8.0%に対しwaiting法では2.9%と低率であった.またwaiting法を取り入れたことにより治療回数, 硬化剤注入量, 入院期間も有意に減じた.合併症発生率も従来法の28.2%に対し, waiting法2.1%と激減し, かつ重大な合併症は皆無であった.Waiting法を用いたEISは静脈瘤消失率を高め, 再発率をきわめて低くすることが可能で, かつ合併症がほとんどないことから, 食道静脈瘤に対しては第一選択となる治療法と考えられる.
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