日本門脈圧亢進症学会雑誌
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内視鏡治療を施行した孤立性食道静脈瘤の2例
辻上 幸司岡村 誠介市川 壮一面家 敏宏板東 輝美多田津 昌也大喜田 義雄筒井 朱美六車 直樹柴田 啓志伊東 進浦上 慶仁
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2000 年 6 巻 3 号 p. 166-169

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抄録
症例は66歳女性および70歳男性.2例とも以前より下部食道に孤立性静脈瘤 (SoV) を認めていたが, 増大傾向と表面にRCsign様の発赤を認めたため当科紹介となった.2例とも, 食道静脈瘤の原因となる基礎疾患は認めず, 通常および赤外線内視鏡, 超音波内視鏡, 腹部血管造影にて, SoVに明らかな流入血管は認められなかった.しかし2例とも患者の強い希望があり, SoV表面にRCsign様の発赤を認めたため内視鏡的静脈瘤結紮術を施行, うち1例では結紮後切除した.切除標本の病理組織学的検査では粘膜下層に著明に拡張した静脈を認めたが, 腫瘍性の変化は認められなかった.出血などの合併症は認められず, 現在までのところ再発も認めていない.
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