日本門脈圧亢進症学会雑誌
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左胃静脈の発育形態からみたB-RTO後の食道静脈瘤出現・増悪の予測-超音波内視鏡による検討-
北川 靖大原 秀一杉山 幸一岩崎 隆雄田辺 暢一下瀬川 徹
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2001 年 7 巻 3 号 p. 129-134

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抄録

当科にて胃静脈瘤に対してB-RTOを行った20例を対象に, B-RTO時の左胃静脈 (LGV) の発育形態と, その後の食道静脈瘤 (EV) の出現・増悪の関連についてEUSを用いて検討した.B-RTO後EVが出現・増悪した11例 (55%) 中治療を必要とした症例は5例 (25%) であった.EUSによるLGVの発達程度とEVの経過は相関し, LGVが発達しているほどEVは増悪しやすい傾向を示した.またLGVが発達していてもEVが増悪しないものがあり, このような症例では, 消化管壁外のみを走行する側副血行路を形成していた.EUSによるLGVを中心とした門脈血行動態の検討から, B-RTO後のEV増悪の予測が可能と考えられた.

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