抄録
食道胃静脈瘤初回治療症例126例中, 10年以上経過した肝癌や悪性腫瘍を伴わない89例を対象に検討した.10年および20年生存率は37.8%と12.3%であった.手術治療は初期には内視鏡治療に比べ不良であるものの5年以後長期的には20年生存率が18.9%と良好な傾向であった.食道離断術とHassab手術で差は認められなかった.緊急例の10年生存率は9.2%と不良で予防例の10年と20年生存率は40.3%と23.6%で良好であった.child-Pugh分類別10年生存率ではAが51.9%, Bが27.1%, Cが9.1%であり肝予備能と明らかな正の相関が認められた.再発例の10年生存率は33.7%で, 非再発例の41.0%と比べて差は認められなかった.再発時に適切な治療を行うことによって非再発症例と同等の予後が得られると考えられた.