日本門脈圧亢進症学会雑誌
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門脈血行動態からみた食道静脈瘤内視鏡的治療成績の評価
林 星舟佐伯 俊一
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2001 年 7 巻 4 号 p. 223-228

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抄録
食道静脈瘤治療前に門脈血行動態を把握しえた肝細胞癌非合併肝硬変151例を対象に, 門脈血行動態と内視鏡的治療方法, 治療成績との関連について検討した.1.食道静脈瘤に対する内視鏡的治療の平均治療回数はEIS単独治療を行ったEIS群3.8回±1.4回に比し, 初回治療時にEVLを併用したEVL併用群は2.8±0.9回と有意に減少し (p=0.0001), また両群の累積再発率, 累積出血率に有意差は認めなかった.2.門脈血行動態別にみると, n-type症例での累積再発率はEIS群 (3年48.6%) に比べ, EVL、併用群 (3年10%) で低い傾向を認めた.3.静脈瘤再発時の血行動態の解析から, SMA造影・SPA造影にて食道静脈瘤の描出を認めないn-type症例では左胃静脈 (後胃・短胃静脈) の遠肝性血流の出現が, 側副血行路として食道静脈瘤のみ描出されるdA-type症例では左胃静脈 (後胃・短胃静脈) の遠肝性血流の残存と新たな側副血行路出現の有無が, 食道静脈瘤の他に他の側副血行路も描出されるdB-type症例では左胃静脈 (後胃・短胃静脈) の遠肝性血流の残存が, 静脈瘤再発と密接に関連しているものと想定された.
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