日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
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7 巻, 4 号
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  • 國土 典宏
    2001 年7 巻4 号 p. 197-199
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2012/09/24
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  • 高森 繁, 小川 明子, 吉田 範敏, 中野 一永, 織畑 剛太郎, 大原 成官, 太田 秀二郎, 児島 邦明, 深澤 正樹, 別府 倫兄, ...
    2001 年7 巻4 号 p. 200-206
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    直達手術施行門脈圧亢進症症例605例において, 各種因子について累積生存率を比較検討することによって生命予後規定因子を求めた.有意差を認めたのは性別, Child分類による肝機能評価, 手術時期, 術後出血の有無, 肝癌合併の有無であった.さらに多変量解析の結果, 独立した予後因子はChild分類と肝癌合併の有無のみで, 食道胃静脈瘤出血は門脈圧亢進症症例において生命予後規定因子から除外された.直達手術は内視鏡的治療を中心とした非観血的治療と比較し, 長期経過を通じて遺残再発が少ないといった点で優れており, 適応症例を選択すれば現在でも存在価値のある治療法であると考えられた.
  • 板倉 勝, 茂出木 成幸, 村松 親, 中村 浩之, 小林 文徳, 西崎 泰弘, 白石 光一, 渡辺 勲史, 松崎 松平
    2001 年7 巻4 号 p. 207-212
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/09/24
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    門脈圧亢進症に合併する脾機能亢進に対する部分的脾塞栓術 (PSE) が門脈血行動態に及ぼす影響を, 長期経過を含めて検討した.PSEを施行した30例を, その梗塞率からhigh infarction rate群とlow infarction rate群に群別し, 超音波パルスドプラ法にて門脈本幹血流量と脾静脈血流量を測定し, さらに, 治療前後の食道胃静脈瘤を観察した.一部の症例では治療時に懊入肝静脈圧較差 (WHVPG) を測定した.WHVPGは治療直後低下したが, 治療前の圧が高値で梗塞率の低い例では15分後に再上昇した.治療1年後の門脈本幹血流量は変化なく, 脾静脈血流量はhigh infarction rate群で低下していた.食道静脈瘤は梗塞率が79%と70%の2例で改善した.PSE直後の門脈圧は低下するが, 直ちに代償機構が働く.梗塞率が充分であれば脾静脈血流の減少が持続するが, 門脈本幹血流量は維持される傾向がある.
  • 藤井 真理, 中野 茂, 蜂矢 朗彦
    2001 年7 巻4 号 p. 213-217
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/09/24
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    アルコール性肝硬変の肝障害や合併症が飲酒により悪化することはよく知られており, 肝機能および門脈圧に禁酒が与える影響を検討することは重要と考えられる.対象は食道静脈瘤を有する男性アルコール性肝硬変16例 (平均年齢56.8歳) で, 飲酒群9例, 禁酒群7例であった.食道静脈瘤治療前に飲酒量, 禁酒期間肝機能, 門脈圧について両群で比較した.治療前の禁酒群の平均禁酒期間は最短2カ月, 最長36カ月, 中央値15.4カ月であったが, 飲酒群に比べGOT, GPT, γ-GTPは有意に低値で, かつAlb, PT活性は有意に高値であった.門脈圧は, 飲酒群の26.0±2.6mmHgに対し, 禁酒群では19.0±7.4mmHg (3例は15mmHg未満) と低値の傾向があった.以上より, アルコール性肝硬変症例において約1年の禁酒でも門脈圧と肝障害の軽減に有用であり, 継続して禁酒すれば, 食道静脈瘤の再発が抑制される症例もあると示唆された.
  • 治療後10年以上経過症例の検討
    坂東 正, 津田 祐子, 岸本 浩史, 霜田 光義, 塚田 一博
    2001 年7 巻4 号 p. 218-222
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/09/24
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    食道胃静脈瘤初回治療症例126例中, 10年以上経過した肝癌や悪性腫瘍を伴わない89例を対象に検討した.10年および20年生存率は37.8%と12.3%であった.手術治療は初期には内視鏡治療に比べ不良であるものの5年以後長期的には20年生存率が18.9%と良好な傾向であった.食道離断術とHassab手術で差は認められなかった.緊急例の10年生存率は9.2%と不良で予防例の10年と20年生存率は40.3%と23.6%で良好であった.child-Pugh分類別10年生存率ではAが51.9%, Bが27.1%, Cが9.1%であり肝予備能と明らかな正の相関が認められた.再発例の10年生存率は33.7%で, 非再発例の41.0%と比べて差は認められなかった.再発時に適切な治療を行うことによって非再発症例と同等の予後が得られると考えられた.
  • 林 星舟, 佐伯 俊一
    2001 年7 巻4 号 p. 223-228
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/09/24
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    食道静脈瘤治療前に門脈血行動態を把握しえた肝細胞癌非合併肝硬変151例を対象に, 門脈血行動態と内視鏡的治療方法, 治療成績との関連について検討した.1.食道静脈瘤に対する内視鏡的治療の平均治療回数はEIS単独治療を行ったEIS群3.8回±1.4回に比し, 初回治療時にEVLを併用したEVL併用群は2.8±0.9回と有意に減少し (p=0.0001), また両群の累積再発率, 累積出血率に有意差は認めなかった.2.門脈血行動態別にみると, n-type症例での累積再発率はEIS群 (3年48.6%) に比べ, EVL、併用群 (3年10%) で低い傾向を認めた.3.静脈瘤再発時の血行動態の解析から, SMA造影・SPA造影にて食道静脈瘤の描出を認めないn-type症例では左胃静脈 (後胃・短胃静脈) の遠肝性血流の出現が, 側副血行路として食道静脈瘤のみ描出されるdA-type症例では左胃静脈 (後胃・短胃静脈) の遠肝性血流の残存と新たな側副血行路出現の有無が, 食道静脈瘤の他に他の側副血行路も描出されるdB-type症例では左胃静脈 (後胃・短胃静脈) の遠肝性血流の残存が, 静脈瘤再発と密接に関連しているものと想定された.
  • 今尾 泰之, 勝見 直也, 山口 康晴, 大和 太郎, 両角 克朗, 安部 孝, 石田 均, 高橋 信一
    2001 年7 巻4 号 p. 229-232
    発行日: 2001年
    公開日: 2012/09/24
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    症例は61歳男性.45歳肝障害, 59歳大腸多発ポリープを指摘されている.1998年2月14日吐血のため当院入院.内視鏡検査にて食道および胃噴門部静脈瘤を認めた.血液検査では貧血と血小板減少を示すも肝機能障害は認めず, 肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性であった.腹部CT, MRI, 腹部血管造影にて門脈本幹に約2cmの血栓を認め門脈血栓症と診断した.また, 大腸内視鏡検査では集簇性のポリープを全大腸に認めた.食道胃静脈瘤および大腸多発腺腫に対し4月20日Hassab手術・S状結腸部分切除および背景肝の診断のため肝生検を施行した.肝組織像では門脈域の類円形線維化や異常血行路を認め, 特発性門脈圧亢進症が疑われた.特発性門脈圧亢進症に大腸多発腺腫を合併した貴重な症例と考え報告する.
  • 2001 年7 巻4 号 p. 233-258
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2012/09/24
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