日本門脈圧亢進症学会雑誌
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超音波内視鏡 (EUS) による胃静脈瘤局所の血行動態の解析と治療への応用
高木 忠之小原 勝敏入澤 篤志大山 仁佐藤 直人引地 拓人片倉 響子渋川 悟朗山本 豪若槻 尊高橋 裕太宍戸 英夫斎藤 文子滝口 藤夫坂本 弘明佐藤 由紀夫
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2002 年 8 巻 2 号 p. 123-127

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抄録
胃静脈瘤 (Lg) の血行動態を把握する方法として, MR-angiography, 3D-CT, 超音波内視鏡 (EUS), 経皮経肝門脈造影 (PTP), バルーン下逆行性経静脈的静脈瘤造影 (BRTV) などが施行されている.当科ではおもにEUSを施行し, Lgおよび胃壁内外血管, Lg供血路を観察することにより静脈瘤局所の血行動態を把握し, 治療に応用している.具体的には, Lg短径を計測することにより使用する薬剤 (ethanolamine oleate, ethanoL, α-cyanoacrylate monomer; CA) の選択とその使用量を決定できる.また, 起こり得る偶発症 (CAの大循環への流出) を未然に防止することも可能である.さらに, 治療後の胃壁内外の血管を観察することにより再発の可能性を予測でき, 追加治療の必要性や経過観察期間を決定できる.以上のことから, Lgの治療前後にEUSを用いて門脈血行動態を把握することは, Lg治療を安全かつ効果的に施行するために有用である.
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© 日本門脈圧亢進症学会
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