日本門脈圧亢進症学会雑誌
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食道静脈瘤に対するアルゴンプラズマ凝固法による地固め療法の有用性
松井 繁長工藤 正俊中岡 良介汐見 幹夫
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2002 年 8 巻 3 号 p. 180-184

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抄録
食道静脈瘤に対して, 初回治療として内視鏡的静脈瘤硬化療法 (EIS) と内視鏡的静脈瘤結紮術 (EVL) の同時併用療法 (EISL) と, さらにEVL単独の追加を行った後に地固め療法を施行した.地固め療法としてアルゴンプラズマ凝固法 (APC) による焼灼を行った15例 (APC群) と1%ポリドカノール (1%AS) の血管外注入法を行った34例 (1%AS群) を対象に治療成績を比較検討した.APC群と1%AS群の治療終了 (F0RCサイン陰性) までの平均総治療回数は, 2.2±0.5回, 2.8±0.5回, 地固め治療回数は, 1.1±0.3回, 1.6±0.6回であり, APC群でともに有意に低かった (p<0.05).治療終了後1年, 2年の累積非再発率はAPC群93.3%, 84.0%, 1%AS群87.9%, 76.9%であり有意差はなかった (p=0.62).合併症は1%AS群でバルーン拡張術を必要とする食道狭窄を3例 (8.8%) に認めた以外両群とも重篤なものはなかった.APCによる食道粘膜への焼灼は, 容易に全周性に浅い潰瘍を形成し, 粘膜を線維化組織へと置き換えることができ, 重篤な合併症がない安全な方法である.1%ASによる地固め療法と比較して治療必要回数は少なく, 同等の治療効果が得られることにより, 低侵襲であり, 医療費抑制の観点からも地固め療法に適しており有用である.
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