抄録
食道静脈瘤に対する撲滅結紮法 (eEVL) の治療効果と長期の静脈瘤の予後およびその再発因子について, 123例を対象にEUSを用いて検討した.平均観察期間34±21カ月で静脈瘤再発は25例にみられ, 累積非再発率は1年90.7%, 3年80.4%, 5年63.6%であった.因子別の同非再発率は, child A (p=0.03), 噴門部粘膜下層の血管断面積が治療前に100mm2未満 (p=0.01), 治療後に10mm2未満 (p=0.04) および治療後の下部食道粘膜下層内に残存血管なし (p=0.007) などで良好であった.多変量解析では下部食道の粘膜下層血管の残存が静脈瘤再発に最も影響を及ぼしていた (risk比7.41, p=0.04).以上より, 食道静脈瘤に対するeEVLは良好な治療成績をもたらすが, 再発予防には治療後の下部食道粘膜下層の残存血管がないことをEUSで確認すべきと考えられた.