日本門脈圧亢進症学会雑誌
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結腸脾彎曲部に出現した異所性静脈瘤の一例
赤池 淳佐藤 隆啓山崎 克大村 卓味狩野 吉康豊田 成司
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2002 年 8 巻 3 号 p. 224-227

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抄録

症例は70歳女性.平成元年よりC型肝炎にて外来通院しており, 平成11年には食道静脈瘤と直腸静脈瘤に対し内視鏡的硬化療法 (endoscopic injection therapy;EIS) を施行した.平成13年には直腸静脈瘤再発にてEISを施行.以後定期的に検査を行っていたが, 平成14年4月初旬に下血を認めたため, 下部消化管内視鏡検査を施行.直腸静脈瘤の明らかな再発の所見はなかったが, 結腸脾彎曲部に2条のF2CbRC (-) の静脈瘤を認めた.なお, 出血点は不明であった.腹部力ラードプラエコー, CT, 門脈MRangiographyでは脾門部から下行結腸外側を下降する拡張した側副血行路を認め, 血管造影では脾門部から左卵巣静脈に吻合する著明に拡張した側副血行路と下腸間膜静脈から分枝する静脈瘤を認めた.門脈圧亢進症における血行動態を考えるうえで非常に興味深い症例と思われた.

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