日本門脈圧亢進症学会雑誌
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肝硬変における難治性腹水臨床像に関する検討
楢原 義之金沢 秀典片倉 玲樹厚川 正則滝 保彦木村 祐間宮 康貴長田 祐二中塚 雄久小泉 信人名知 志子黒田 肇坂本 長逸
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2002 年 8 巻 4 号 p. 251-257

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抄録
肝硬変腹水患者42例を当科で定めた難治性腹水の診断基準に基づき治療反応性腹水20例, 難治性腹水22例に分け比較し難治性腹水の臨床的特徴を検討した.肝静脈圧較差 (HVPG) は治療反応性腹水18.0±3.4mmHgに対し難治性腹水20.5±4.3mmHgと難治性腹水において有意に高値を示した.クレアチニンクリアランス (Ccr) は治療反応性腹水53.9±19.0ml/min, 難治性腹水40.9±22.8ml/minと難治性腹水において有意に低値を示した.血漿レニン活性, アルドステロン, ノルエピネフリンはいずれも難治性腹水例が有意に高値を示した.これに対し, 肝機能検査は両群間に有意な差を認めなかった.以上より, 難治性腹水の特徴としては腎機能悪化とレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系, 交感神経系の亢進がみられ, 肝機能重症度の関与は少ないものと考えられた.また, 難治性腹水の発生に門脈圧高値が関与することが示唆された.
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