日本門脈圧亢進症学会雑誌
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難治性食道胃静脈瘤に対する腹腔鏡下Hassab手術
小西 晃造橋爪 誠金城 直山口 将平赤星 朋比古富川 盛雅前原 喜彦
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2002 年 8 巻 4 号 p. 258-262

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抄録

当科ではバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術 (B-RTO) 無効胃静脈瘤やEIS抵抗性難治性食道静脈瘤に対してのHassab手術 (脾摘および胃上部血行遮断術) を選択している.また侵襲低減のため1995年より腹腔鏡下手術を導入しているのでその有効1生を明らかにする目的で, 1995年9月より2002年7月までに腹腔鏡下Hassab手術を施行した16例を対象に, 近年の手技の工夫を検討した.また同時期に施行した開腹Hassab手術29例と比較して安全性や有効性を検討した.手術時間は276±60分, 平均出血量532ml, 開腹への移行は1例, 術後合併症は出血と発熱が1例ずつで十分安全に施行できた.全例で胃静脈瘤の縮小または消失を得られ, 累積非出血率は100%であった.難治性食道胃静脈瘤に対する腹腔鏡下Hassab手術は手技を工夫することで開腹手術と同様に安全に施行でき, 治療効果も高いため, 有効な治療法のひとつであると考えられた.

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