2003 年 9 巻 2 号 p. 84-88
部分的脾動脈塞栓術 (PSE) による脾血流の変化を超音波パルスドプラ法にて血流測定し検討した.PSE術前, 術翌日, 術7日後に脾動静脈血流の測定をした13例を対象とした.脾動脈の平均血流速度は, 術翌日には有意な低下を認めたが, 7日後にかけては逆に有意な上昇を示した.この変化は脾動脈血流の他臓器への血流増加が示唆された.また, この上昇率は血小板数の上昇率と相関関係 (r=0.71, p<0.01) が認められた.一方脾静脈血流量は術翌日には有意な低下を認め, 術7日後の低下率は脾梗塞率と相関関係 (r=0.82, p<0.001) を認めた.50%前後の脾静脈血流の低下を得るには, 70-90%の梗塞を要すると考えられた.