日本門脈圧亢進症学会雑誌
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直腸静脈瘤の診断と治療
佐藤 隆啓山崎 克豊田 成司狩野 吉康大村 卓味赤池 淳
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2003 年 9 巻 2 号 p. 89-92

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抄録

直腸静脈瘤の発生頻度はさまざまであるが, ときに大出血を来す危険性のある病態である.直腸静脈瘤の血行動態診断には内視鏡的超音波力ラードプラ法が有用である.治療は, 最近では内視鏡治療が中心で, 内視鏡的硬化療法や内視鏡的静脈瘤結紮術が行われることが多い.直腸静脈瘤はこれまで症例が少なく, 今後は症例の集積により, 肝予備能や静脈瘤の血管動態を考慮した硬化療法や静脈瘤結紮術の適応について検討が必要と考えられた.食道静脈瘤硬化療法の手技の安定化と普及により成績が向上し, 肝硬変を含む門脈圧亢進症の予後の延長に伴って直腸静脈瘤が増加することが予想される.

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© 日本門脈圧亢進症学会
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