日本門脈圧亢進症学会雑誌
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門脈圧亢進症に対するシャント形成の意義
加藤 紘之平野 聡近藤 哲
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2003 年 9 巻 2 号 p. 93-97

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抄録

シャントは閉じるべきか, 開くべきかについて, 選択的シャント形成の立場から述べた.選択的シャントの意義は, 静脈瘤破裂の危険性を有するいわば悪玉シャントをその危険性のない善玉シャントに変換させることにある.しかし, 善玉と考え形成したシャントに多量の門脈血が流入すると肝性脳症を引き起こし長期生存を不可能にする悪玉シャントになり得るので, 食道・胃上部のみを限定的low pressure zoneとするdistal spleno renal shunt with spleno pancreatic and gastric disconnection (DSRS with SPGD) を施行すべきである.

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© 日本門脈圧亢進症学会
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