抄録
小児急性リンパ性白血病のL-アスパラギナーゼ(L-Asp)療法の合併症に凝固障害症がある.症例は第1寛解期の再寛解導入療法2例と初発時寛解導入療法1例で,全例で症候性の凝固障害はなかった.今回,包括的な凝固線溶能をトロンビン・プラスミン生成試験(T/P-GA)で検討した.T/P-GAで得たトロンビン総生成量(T-EP)とプラスミンpeak生成量 (P-peak)を対正常血漿比で評価した.全例L-Asp投与中にT-EP比は上昇しP-peak比は低下した.フィブリノゲン(Fbg)最低値を示すL-Asp投与後期では両比の差が最大であった(1.5~2.6倍).Fbg低下時は向凝固・低線溶状態であり,血栓傾向になりやすいことが示唆された.今後,L-Asp関連凝固障害の病態解明のため症例の蓄積が求められる.