抄録
近年,間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell: MSC)が免疫抑制作用を持つことが報告され,造血幹細胞移植後の難治性の移植片対宿主病(graft-versus-host disease; GVHD)に対する治療効果が期待されている.今回われわれは臍帯血移植後にステロイド抵抗性のgrade IIIの急性GVHDに対してMSCを投与した2症例を経験した.1例は若年性骨髄単球性白血病の4歳男児で,肝,消化管にgrade IIIの急性GVHDを発症した.ステロイドに不応であったがMSCを投与し軽快した.他の1例は急性骨髄性白血病の6歳女児で,消化管のgrade III急性GVHDに対してMSCを投与したが,反応に乏しく免疫抑制剤の調節で徐々に軽快した.この2症例は本邦にて小児に対しMSCを投与した初の報告と考えられる.