日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
急性リンパ性白血病寛解導入療法中に発症した播種性ムーコル症の一例
藁谷 朋子佐野 秀樹赤井畑 美津子小林 正悟望月 一弘大原 喜裕清水 裕史伊勢 一哉山下 方俊石井 証細矢 光亮菊田 敦
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2017 年 54 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

急性リンパ性白血病の6歳男児.寛解導入療法中にRhizopus microsporusによる播種性ムーコル症を発症し,消化管穿孔および多発膿瘍形成をきたしたが,外科的切除およびアムホテリシンBリポソーム製剤の投与により救命し得た.

ムーコル症は予後不良であるため,早期診断・治療を行うことが重要である.リスクファクターを有する患者においては,ムーコル症も積極的に鑑別に入れ,先制的なL-AMB投与を考慮すべきである.

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© 2017 日本小児血液・がん学会
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