日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
Print ISSN : 2187-011X
ISSN-L : 2187-011X
シンポジウム3: Primary immunodeficiency diseases associaed with hematopoietic disorders: border between immunodeficiency and bone marrow failure
ヒト造血系の発生と分化
平松 英文
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 54 巻 5 号 p. 294-298

詳細
抄録

造血研究の歴史は古く,マウスなどの動物モデルを用いた研究を中心として発展してきた.形態的観察から骨髄が造血の場であることが推測されていたものの,造血がどのように行われるのかの研究ツールは致死量放射線照射マウスを救命する方法の探求から始まった.造血細胞活性を調べる方法としてin vitroコロニーアッセイ法や骨髄移植が考案され,骨髄細胞が増殖能や分化能の異なる様々な細胞の集まりであることが示された.フローサイトメトリーの開発により造血研究は大幅に進み,マウスにおいて先ず造血幹細胞の表面抗原が明らかにされた.ヒト化マウスモデルの開発はヒト造血研究をマウスのそれと同じレベルにまで高め,現在ではわずか1個で全ての造血を再構築できるヒト造血幹細胞の表面抗原の組み合わせが明らかにされている.これら造血幹細胞研究は白血病幹細胞が正常造血幹細胞と類似点を有していることを明らかにするなど,白血病研究も発展させ,臨床への貢献が期待されている.

著者関連情報
© 2017 日本小児血液・がん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top