2018 年 55 巻 3 号 p. 315-319
乳児期に発症する腎悪性ラブドイド腫瘍は予後不良である.今回,集学的治療にも関わらず進行し致死的経過を辿った乳児例について報告する.症例は8か月男児.腹部膨満と肉眼的血尿を主訴に受診した.腹部CTにて右腎に長径75 mmの腫瘍を認め,転移は認めなかった.一期的に右腎腫瘍摘出術を実施し,術後化学療法を施行した.しかしながら,病理診断では腎悪性ラブドイド腫瘍と診断され,腎被膜を超えた浸潤を認めた.確定診断後,腫瘍床への放射線治療とビンクリスチン,ドキソルビシン,シクロホスファミド併用化学療法を3コース行ったが,腹膜播種を来たし,第130病日に永眠された.腎悪性ラブドイド腫瘍の中でも乳児発症例は進行も早く,予後不良である.未だ標準療法は確立されておらず,病態の解明と新規治療薬の導入が待たれる.