2018 年 55 巻 3 号 p. 329-332
症例は14歳男児.左脛骨原発骨肉腫と診断され,術前・術後化学療法,原発巣全摘により寛解となったが,その後肺再発を2回来した.塞栓に関連した症状は認めなかったが,2回目再発病変に対する左肺部分切除後に施行したFDG PET-CTにて左膝窩静脈内に腫瘍塞栓が確認された.Gemcitabine+docetaxelを6コース,腫瘍塞栓を含んだ血管切除および大伏在静脈置換術を施行したが,術後pazopanib内服開始から6か月後に左肺に3回目再発を来した.現在治療継続中であるが以降は再発なく1年6か月生存中である.骨肉腫における腫瘍塞栓の頻度は比較的高いため,FDG PET-CTによる全身検索を積極的に盛り込んでいく必要があると考えられた.