2018 年 55 巻 5 号 p. 366-370
2001年に国内での分子標的薬の登場以来,成人では数多くの分子標的薬が臨床応用されている.一方,小児がん領域での適応疾患は少ないものの,使用される分子標的薬も増加してきている.従来の化学療法剤に比べて,分子標的薬は副作用が少ないのではなく,製剤毎に化学療法剤とは異なった副作用が存在する.また分子標的薬単独投与は比較的骨髄抑制は軽度であるが,化学療法との併用では重篤となる可能性があり,注意が必要である.今後分子標的薬が小児でも適応が拡大され,適切に使用されていくことが望ましいと考える.