日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム4: 放射線治療: QOLを考慮した局所治療
小児がんにおける放射線治療
―小児科医の立場から―
亀井 美智村井 太郎岩田 宏満高木 大輔近藤 知史荻野 浩幸
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2019 年 56 巻 2 号 p. 141-147

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抄録

小児がんの治療のためには,化学療法,外科療法および,放射線療法などによる集学的治療が重要である.小児がんの治療成績は目覚ましく改善し,現在は治療の層別化により,治療強度と治療合併症を考慮した治療開発が進められている.放射線感受性のある小児がんのがん腫は多く,放射線治療は重要な役割を担っており,放射線による合併症の詳細が様々な研究で明らかになってきた.近年,陽子線を含む粒子線治療や,強度変調放射線治療(Intensity-modulated radiation therapy: IMRT)など,技術開発が目覚ましい.一方で,Oncology emergencyや緩和治療には,従来のリニアックによる治療も有用である.さらに,合併症を軽減するための隣接臓器への照射回避を目的として,スペーサー留置術や妊孕性温存の治療技術が試みられている.小児がんの治療において,放射線治療の方針決定には小児科医のみならず放射線治療医を含めた専門医との連携,協力が不可欠であり,放射線治療の特性を理解したうえで治療戦略を立案する必要がある.小児科医としてどのように考えていくべきか,小児がんにおける放射線治療の現状と今後の展望について述べる.

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© 2019 日本小児血液・がん学会
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