2019 年 56 巻 2 号 p. 238-242
劇症型抗リン脂質抗体症候群(CAPS)は致死率の高さやその急激な経過のため,早期から強力な治療が必要であるが,一方でCAPSの早期診断は極めて困難である.症例は15歳女性.発熱・倦怠感を主訴に夜間救急外来を受診した.来院時Hb 3.2 g/dL,Plt 8,000/μLであり,翌朝にかけて輸血を行ったがPlt 1,000/μLとなっていた.直ちに血漿交換・ステロイドパルス療法を導入したが,入院3日目に左被殻に出血性脳梗塞を発症した.その後も脳出血の進行を阻止できず入院4日目に脳死とされうる状態となった.後日,血栓症およびループスアンチコアグラント陽性が判明し経過と合わせてとCAPSと診断した.血栓傾向を伴う血小板減少と溶血性貧血を認めた場合,CAPSも鑑別に,血漿交換やステロドパルス,抗凝固療法の速やかな導入を検討する必要があり,本症例はその教訓となった.