2019 年 56 巻 3 号 p. 331-333
免疫チェックポイント阻害剤は,成人だけでなく小児のがんでも注目されている.我々は,PD-1とCTLA-4の両パスウェイを特異的に阻害できるアルキル化転写阻害剤CCC07-01を開発した.CCC07-01はPD-1,PD-L1およびCTLA-4遺伝子の発現を抑制し,がん細胞に細胞死を誘導するが,正常細胞には誘導しないことを確認し,PBMCの移植により免疫系をヒト化した担癌NGSマウスに投与したところ腫瘍の増殖抑制とCD8陽性細胞の有意な上昇を認めた.以上よりCCC07-01は,単剤でPD-1とCTLA-4の両パスウェイを阻害し,がん細胞死を誘導できる薬剤候補として期待された.