近年,小児がんなどの希少がんに対する臨床試験のあり方は我が国の規制当局を含めて国際的なトピックスとなっている.試験デザインの制約を緩和できる条件や状況として,1)単群試験デザインの許容,2)奏効率等の代替評価項目の採用,3)第I種・第II種の過誤確率の上昇などが挙げられている.また,効率的なデザインとして,遺伝子情報に基づいた試験(アンブレラ試験またはバスケット試験),N-of-1試験,適応的デザイン,ベイズ流デザインなどが提案されている.ベイズ流接近法の可能性としては,1)「確率」だけですべてを判断するため,分かりやすい,2)試験計画に依存せず,いつでもデータ解析をして知りたい確率を計算できるため,適応的デザインに適している,3)事前情報はときに意味をもち,事前情報を含む様々な情報(外部情報)を明示的に統合できるため,蓄積された情報を生かすことができる.試験デザインの「科学性」と「効率性」はトレードオフの関係にある.従って,計画段階で,各試験デザインの利点・欠点を十分に議論すべきである.そのためには,「臨床家」と「統計家」の真の協同が不可欠である.