日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
同種移植後の髄外再発に対し,ダサチニブが著効したNUP214-ABL1融合遺伝子陽性B前駆細胞性急性リンパ性白血病の1例
奥廣 有喜岡田 恵子谷村 一輝比良 洸太中野 嘉子山崎 夏維仁谷 千賀藤崎 弘之福島 裕子井上 健原 純一
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2020 年 57 巻 3 号 p. 281-284

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抄録

Ph-like急性リンパ性白血病(ALL)はPh1陽性ALL(Ph+ALL)と同様な遺伝子プロファイルを有する高リスク群である.従来の細胞遺伝学的,分子学的解析では遺伝子変異の検出ができないが,Ph+ALLと同様にチロシンキナーゼ阻害剤の有効性が期待されている.array comparative genomic hybridization(aCGH)を契機にNUP214-ABL1融合遺伝子の同定に至ったB前駆細胞性ALLの1例を経験し,同種移植後の髄外再発に対しダサチニブが著効した.NUP214-ABL1融合遺伝子を有するPh-like ALLにチロシンキナーゼ阻害剤が有効な場合があることを示唆する経過である.

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© 2020 日本小児血液・がん学会
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