2020 年 57 巻 3 号 p. 285-289
Tyrosine kinase domain変異フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)は高い薬剤耐性を有し,特にT315I変異Ph+ALLは予後不良である.症例は8歳男児.前医でPh+ALLと診断され,寛解導入療法後に当院に転院した.イマチニブ不耐容とダサチニブによる肝障害のため複数回の休薬を要し,その間に再発を来した.遺伝子解析によりT315I変異を認めたため,非寛解期のまま,シタラビン・ミトキサントロン・プレドニゾロンによる化学療法に引き続いて,メルファランおよび全身放射線照射12 Gyからなる骨髄破壊的前処置を行い,ヒト白血球抗原一致同胞から骨髄移植を施行した.移植後17日目に生着を認め,重篤な合併症なく経過し,移植後7年で無病生存中である.T315I変異Ph+ALLに対する骨髄移植の有用性について,多数例での検討が望まれる.