日本小児血液・がん学会雑誌
Online ISSN : 2189-5384
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原著
当科での小児がん患者に対する終末期在宅医療の取り組み
守田 弘美本田 裕子水城 和義浅井 完押田 康一白山理 恵樋口 尚子楠原 浩一
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2020 年 57 巻 3 号 p. 275-280

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抄録

【目的】訪問看護ステーションの小児の受け入れ増加に伴い,小児がん患者においても自宅で最期を過ごすことが可能となりつつある.今回,当科における最近8年間の終末期医療の現状と課題について検討した.【方法】2011年11月~2019年10月の間に終末期を迎えた小児がん患者16例について終末期医療の後方視的検討を行った.また,近隣の89の訪問看護ステーションに対して,小児がん終末期在宅医療に関するアンケート調査を実施した.【結果】2016年以前の症例の終末期在宅期間中央値は16日と短期間であったが,訪問看護などが介入できた2016年以降の症例では149日と長かった.また,訪問看護に対するアンケート調査では,条件付きではあるが,約6割の施設が小児がん終末期患者の受け入れの意思を示した.小児がん患者の受け入れに際し,医療者の知識不足とともに患者・家族とのコミュニケーションや病状把握が困難などの問題点も浮き彫りになり,病院との連携が重要であることが示唆された.【結論】訪問看護や訪問診療の介入により一部の在宅医療処置が実施可能となり,今後在宅期間の延長が期待できる.当科では教育研修会の開催などで地域医療との連携を強化するとともに,即時連絡がとれるような体制を検討していく.

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