日本小児血液・がん学会雑誌
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シンポジウム8: ゲノム医療: 小児・AYAがんにおける実装の現状と今後の課題
がんゲノム医療提供体制におけるがんゲノム情報管理センター(C-CAT)の役割
須藤 智久
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2022 年 59 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

2017年6月に公開された「がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会報告書」に基づき,がんゲノム医療中核拠点病院等が指定され,また,がん遺伝子パネル検査を実施した症例の臨床情報とゲノム情報を集約・管理・利活用を図る機関として,国立がん研究センター内にがんゲノム情報管理センターが設立された.2019年6月に,がん遺伝子パネル検査2品目が保険収載され,本邦における国民皆保険制度下でのがんゲノム医療が開始された.2021年10月末までに2万例以上の症例登録があり,順調にがんゲノム医療が進んでいる.また,2021年8月には,血液検体でのがん遺伝子パネル検査も保険収載され,今後さらなる検査数の増加が見込まれる.C-CATに集積された情報利活用も進んでおり,2020年9月には医療連携として利用される診療検索ポータル,2021年10月からは研究開発を目的とした利活用検索ポータルの利用が開始され,各患者や医療機関の協力によって収集された情報の有効的な二次利活用が期待される.

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© 2022 日本小児血液・がん学会
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