2022 年 59 巻 2 号 p. 179-183
白血病の中枢浸潤は,髄液細胞数上昇と髄液細胞診での芽球の証明による診断が一般的だが,芽球と判定できない場合には診断に苦慮する.症例は0歳9か月時に急性骨髄性白血病M5aを発症した女児.KMT2A (MLL) 再構成陽性(転座相手不明)で,中枢神経浸潤なく標準化学療法を終了した.退院5か月後に繰り返す嘔吐,痙攣を発症し,中枢神経再発を疑ったが髄液細胞診で明らかな芽球は認めず,骨髄でも再発所見はなかった.髄液細胞でKMT2A-FISH解析を施行したところ,KMT2A-split signal陽性であり,フローサイトメトリ (FCM) 解析でも単球系細胞のmonoclonalな増生を認め,中枢神経再発と確定診断した.単球性白血病の芽球は組織に移行し分化,増殖することが知られており,中枢神経再発を強く疑うが髄液細胞診で診断に至らない場合は,FISH解析やFCM解析が有用な可能性がある.